トラウベ(胎児用聴診器)作り

「もともとフィリピンには、胎児の心音(心泊数)を確認する、という文化はありませんでした」と冨田さんは講演会でおっしゃいます。胎児心音を聞くと、赤ちゃんがお腹の中でどのような環境にあるのか、ということの情報が多少なりとも得られるわけです。

かつて、日本ではトラウベと呼ばれる、胎児心音の聴診器がありました。超音波ドプラーによる胎児の心拍変動の確認ができるようになったことで、日本の医療の現場ではトラウベはあまり見られなくなってきましたが、電力を使わないこの方法は、道具と、それを使用する技術さえあれば、他のインフラは必要ありません。

大規模な災害があったとき、急に電源の供給がなくなった時、そんな時にも赤ちゃんの状態が把握できるようにするためには、ローテクの伝承と、その準備が必要になります。

そのような思いもあって、トラウベを作っておられます。

昨年の講演会でも、いくつかお買い上げいただきましたトラウベですが、こんな感じで作られています。完成までおつきあいすることは叶いませんでしたので、本当に始まりの部分ですが…。

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実は、薪割りをしているのかな…と思いながら見ていました。大きめの木材に、クサビを打ち込みながら、割って行きます。これもまた見事なもので、小学生くらいの小柄な子が、一人で手早く作業をしていました。

 

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トラウベの見本です。「ステトスコープ(聴診器)」と呼んでいます。もともと、古い形の聴診器もこのような形でしたので、これで友達の心臓の音を聞く、というのはまったく正しい使い方です。

 

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それから、ろくろにかけます。

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ろくろにかかった状態です。これから、大まかな形を削りだしてゆきます。

さらに仕上げまではまだまだ工程がありますが、仕上げの前に冨田さんのチェックが入ります。

まず実用に堪える形であるかどうか、ということからはじまり、重さ、中心の孔の形、塗装の色合いにもかなりの精度を求めていますので、作り直し、塗り直しもずいぶんあったようです。

次回の講演会でどのくらい準備できるか、わかりませんが、興味のある方はまたお声掛けくださいませ。

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